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UniMagic歴史編纂(過去編2)

· 約51分
Be Interes"thing"!

この記事はUniMagic アドベントカレンダーの11日目の記事です。盛大に遅刻……。

今回はアドベントカレンダー開催記念、もしくはUniMagicの最初の情報公開から2周年となったことを記念して、UniMagicの歴史を複数回に分けて紹介しようと思います。

第二回は過去編2ということで、UniMagic1期から5期までの辿った軌跡を裏話を交えつつ綴ろうと思います。

なお、場合によって以下の略称を使う場合がありますので、必要に応じて読み替えてください。

略称正式名称
学園私立VRC学園
スクールVRCスクール/NOAH(VRCスクールの一時期の名称)
寺子屋VRC初心者ノ寺子屋

胎動の裏側で

ここでは、UniMagic1期開校の裏側と、2期開校までに起きた様々なことを書き綴ります。

衛星

UniMagic1期開校の裏側で、Sateliteサーバーの準備が進んでいました。そう、最初からはありませんでした。

元々、私立VRC学園とVRCスクールの状況はよく見ていました。学園という居場所自体をコミュニティとすることを嫌う学園に対し、スクールという居場所自体をコミュニティとするべく動くスクール。
この対比の中で生まれたUniMagicの結論は、最初から、「ここは、"プラットフォーム"であるべきだ。」です。人やモノ、情報や技術が交差し、繋がることができる場所。何より、そこに自由度があった方が面白いことが生まれる可能性は高いからです。開期に限らず交差を発生させるためには、Sateliteは必要不可欠でした。(それに、コミュニティ化を無理やり止めようとしてもうまくいかないのは、学園の例を見てよく知っていました。)

専攻

UniMagic1期運営中に、こんな話が出ていました。

ワールド専攻科β、12月にやろうよ!

流石に正気を疑います。 いくら私でも。とはいえ、周囲の状況(学園/スクール)を鑑みると合理的な話でもありましたし、校舎建設計画を進めたいという意図はあったので、実際ワールド専攻科βを次の一手とするのは十分考慮に値する計画でした。

校舎建設計画

校舎建設計画というのは、「UniMagicの校舎ワールドを、UniMagicのみんなの手で作ろう!」というもので、執筆現在時点で進行(停滞)中です。Sateliteサーバーで進行(停滞)しています。ごめんなさい!!!!!

もちろん、準備期間等諸々を考慮するとこんな地獄のスケジュールがまかり通るはずもなく、ワールド専攻科βを12月に開催する計画は一旦白紙となります。12月に開催する計画としては。

憲章

UniMagic憲章、皆さんは読んでいただけていますでしょうか。この文章の原本ができたのが、1期終了後すぐくらいの出来事でした。そして、この内容は原本が作られてから、変更されたことはありません。昔も今も、この憲章を基にUniMagicは形作られています。

ちなみに、クッソ要約すると

  • 「自由な世界で、学び続けることと覚えよ。」 : 謙虚であれ
  • 「ヒトを、モノを、情報を、技術を繋げよ。」 : 分け与えよう
  • 「飽くなき好奇心で、挑戦と探求を続けよ。」 : 御託はいい、やれ

です。

組織

運営中枢の組織をちゃんと組んだのも、1期後から2期前のこの時期です。この段階で、現在とほぼ同じく総務(外務はまだ総務管轄でした)/技術/教務/学支/衛星のカテゴリー分けが存在しました。組織立てたのは、成功であり失敗もあったと思います。

成功面は組織の拡大に耐えられるようになった、失敗面は部署間の情報のやり取りが(だいぶ先で)厳しくなっていった点が挙げられます。部署間でのやり取りが十分に行われない部分に関しては、運営中枢向けの教育を正しく引いてあげるべきなのかなと思います。

紋章

UniMagicのロゴが完成したのも、またこの時期です。UniMagic1期生のはるすけさんに制作していただいたロゴになっています。「魔法陣、猫、夜、魔法使い、本(知識のイメージ)」といった要素から生まれました。

(ここに仮ロゴと現ロゴの画像を貼る)

実はロゴタイプの文字には2パターンあり、運営中枢内でもどちらを取るか非常に拮抗していました。結局、「両方を正式版とする」ことで決着としました。使用先用途の雰囲気等に合わせて使い分けが可能ですので、是非UniMagic関係者各位は使ってみてください。

(ここに2パターンの画像を貼る)

UniMagic2期 - ワールド専攻科

流石に12月計画は白紙となりました。しかし、「ワールド専攻科」自体はまだ残っています。実際、様々な意図のもとで実施されました。以下は覚えている限りの意図です。

  • 先述の通り、校舎建設計画を進めたいという意図があった
  • 慢性的に講師を担当できる人材が(UniMagic内に)不足しており、増強を狙いたかった
  • 学園と開校時期が被るが、逆に(運営中枢リソースの問題を除けば)被ることで応募人数は分散し、よりUniMagicに来たい人だけが残るはず
  • このタイミングで「専攻科」に対する肌感を模索しておきたい
  • 技術層の異なる人々を迎えて、コミュニティの強度を増やしていきたい

職員人数的にも、講師負荷的にも、クラス数を増やすことは難しい状態でした。とはいえ、私とイオさんで2人分の基盤講師が出せたので、2クラス進行となりました。流石に講師公募までのリスクは背負えないと判断し、講師はこちらから声をかける形で招聘し、2クラス36名程度を想定入学人数としていました。

応募が100名を超えました。

いや確かに、1期の時も応募が50名を超えて急遽2クラス目を生やしました。しかしそれでも想定外すぎます。流石にそこまでの人数を受けきれるだけの運営体制もありません。まだこの時期は運営中枢メンバーは私含めて10名程度でしたから。

選択を迫られます。この応募数、どうするか。
「グリントさんは、優しすぎる。だから運営には向かないよ。」過去に投げられた言葉が頭の中を走ります。それでもなお、掬えるだけ掬いたい。救えるだけ救いたい。UniMagicの未来への期待が、目の前の期待を放り出せない優しさが、2期A/B連続開校という地獄の門を開きました。

これは、2/113/2の当初予定されていた期間を2期Aとし、その後3/103/30を2期Bとして同科を2連続で開催することで4クラス分の人数を受け入れるというものです。講師の方への負担もありますが(快く引き受けていただいた講師の皆様には頭が上がらりません)、運営中枢メンバーは発狂しています。
逆に、運営中枢メンバーの発狂程度で済むので、実質ノーダメージです。ダメージ感覚がバグっています。

選択を迫られた際、可能性のためならある程度のリスクとダメージは覚悟で挑戦側の選択を取る。ゆにまじではよくある光景です。「飽くなき好奇心で、挑戦と探求を続けよ。」

当時としては大きな負担を強いた形にはなりましたが、結果として2期4クラス受け入れは、最終的には成功だったと思っています。何より、その成果は1年後に思いもよらないプレゼントとして帰ってきたのですから。……というのはまた別のお話。21日の記事をお楽しみに。

小噺 : あんぽっく

「きみ、流れるようにあんぱっくしたね?」という授業があります。これはワールド専攻科で行われた、Prefabの扱いに関する授業です。概ね毎期EX授業で取り扱われています。

さて、UniMagicでは毎期、授業風景を授業タイトルと共にツイートしています。広報担当者が間違えて、「きみ、流れるようにあんっくしたね?」とツイートしてしまいました。現在では訂正されていますが、これを機にツイート文面の確認を複数人でより丁寧に行うためのワークフローが確立されました。なんなら毎期「次はあんっくしないでね?」と盛り上がっています。
ちなみに、会議の議事録には「あんっくしました。」と残されています。

2期の所感

2期は特に楽しい期でした。各クラスそれぞれがそれぞれの色を持っていて、クラスによって授業のアプローチが全然変わってくるという印象がありました。

  • 1組(イオ担当)は、ちょこびさん+taka7nさん運営中枢2名による†調整†もありいい感じに回りつつ、質問を的確に出すプロ生徒もいたため正統派の様相。
  • 2組(GlinT担当)は、私と担任のパワーが強かったのでわちゃわちゃの個性派の様相。
  • 3組(イオ担当)は、UniMagic歴代きっての質問過多クラスで探求心の塊。バケモン。
  • 4組(GlinT担当)は、UniMagicの†飯テロ伝説†の始まりとも言える、というか飯テロで団結してしまった狂気のクラス。

ワールド専攻科として開校した2期ですが、安易な結論だけ書いておくと「ワールド本科が欲しいね」でした。
実際、2期のワールド専攻科では易しめな内容と難しめな内容が混ざっていて、アンケートの回答結果にもそれが色濃く出ていました。それと同時に、易しめな内容と難しめな内容の両方に一定の需要が見られた、というのは特筆すべき点でした。

恐らく、今後同じカリキュラムとしての「ワールド専攻科」は開校されません。しかし、専攻科を諦めたわけではなく、もっと綿密に組み直してよりよいものを世に出すためです。
特に2期生の皆様に朗報なのですが、「ワールド専攻科」ではないワールド関連の専攻科が生えた場合、それは「ワールド専攻科」ではないので入学可能です。UniMagicの全力をお楽しみに。

壁を超えろ

UniMagic2期と3期の間は、静かに、しかし大きな変化のあった時期です。

UniMagicは、学園やスクールなど、別の学園型コミュニティとのかかわりの中で生まれました。それらの遺伝子と知見と方法を多分に受け取り、それらを由来とする人々に育てられました。
しかし、いつまでもゆりかごの中ではいけません。ここが転換点です。自分の足で進み始める時が来ました。UniMagicがUniMagicを形作る時代がやってきます。専攻科開校をしたのもそういう意図がありましたが、4クラス受け入れをしたことで、想像以上に駆け足でやってきました。

私はこのタイミングで、UniMagic Phase2の開始を宣言しました。
UniMagic Phase2の目標地点は、大きく分けて以下の2つになります。

  • 繋がりを強化すること : 「ヒトを、モノを、情報を、技術を繋げよ。」
    • クラスに留まらず、UniMagic全体を1つの大きなコミュニティとして繋げる
  • 縦横にUniMagicを拡張し、また更なる拡張に向けた基盤を形成すること : 「自由な世界で、学び続けることと覚えよ。」「飽くなき好奇心で、挑戦と探求を続けよ。」
    • 専攻科や「Blender本科」を立ち上げ、技術に対する入口や道標を確立する

内と外の壁を超えろ

内外向けのコンテンツとして「ゆにらじ」を開始しました。これは、UniMagic関係者が送るラジオ企画です。Satelite向けには「ゆにまじにはこういう人がいるんだ~」という認知の場になりますし、外部向けにも「VRChatの深い人たちのトークが聞けて面白い」という感想を頂いております。作業用BGMに使っている方もいらっしゃるようで、そこそこ以上には好評みたいです。

ちなみに、執筆時点での次回のゲストはanatawaさんです。その次のゲストまで決まっています。わお!

運営体力の壁を超えろ

UniMagic2期を運営して思ったのは、「人手が足りなくて忙しい!」です。というわけで、突然運営中枢メンバーを約2倍にしました。新しい風が吹き荒れる!!

もちろん、がむしゃらに誰でも入れていいわけではなく、ちゃんと吟味検討をしています。
UniMagicの人事権は全て私が持っています。逆に、運営中に何かあった時は最後は私が責任を持つシステムです。その上で、「信頼するので、自由に動いてください。」をしています。それだけの信頼を置ける人物を運営中枢メンバーとしています。
もちろん、それぞれ達成したい目標を提示することはしていますが、手段も道筋も問わないとしています。達成できなくても責めません。ただ反省はします。(私が)

私としては、中途半端に自由度がないよりも、自由と権利の代わりに責任を負う方がやりやすいので、こういう形を取っています。多分、生半可な気持ちでこれをやると普通に崩壊するのでやめたほうがいいと思います。

本科専攻科の壁を超えろ

Unity本科とワールド専攻科の間には、明確な壁があります。これは、「Unity本科修了後、すぐにワールド専攻科を受けても内容が難しい」という話なのですが、具体的になにが壁になっているのでしょうか?

ある人は言いました。「その壁は、プログラミング的思考ができるかどうか、である。」と。そして、それこそがアバターギミック本科の始まりでした。
実際に、アバターギミックはプログラミング的思考の入門として適している、と言えるでしょう。Animatorを用いた条件分岐、Animationでできることの多様性と抽象化、そしてこれらを自分で組むことによって養われる思考力。これらの考え方はワールド専攻科に限らず、専攻科レベルの内容を習得していくためには不可欠です。

3期のアバターギミック本科は、5期のアバターギミック本科よりも難しめ、というか必修が多い関係で内容が多岐に渡っていました。PhysBone/Contact/Shaderなどが全部まとめて必修に入っている激ヤバパッケージ。それもそれで、より深く学びたい人でも満足できる内容だったと思います。

入口の壁を超えろ

1期のUnity本科はありえないほどに難易度が高いものでした。反省を受けて、3期からはUnity本科全体の抜本的な見直しを行っています。Unity本科の授業内容の難易度もそうですが、それと同時に「特にUnity本科において、クラスとはどういう意味を持つのか、持たせるのか」という、コミュニティ面からも見直しを行っています。

その上で、「ちゃんとやる」ことをUniMagicの矜持としています。根本の原理をちゃんと学ぶこと、コミュニティとしてイベントして楽しさを確立すること。ここの調整はなかなか難しく、5期現在まで未だ決着していない課題の一つです。(もちろん、期を追うごとに改善傾向にあります。)

発明

新しくアバターギミック本科を生やすにあたって、基盤系授業のリハーサル/テストが行いたくなりました。ここにきて「ぷち教室」という大きな発明が起こります。

「ぷち教室」とは、特に新設される科のテスト授業として、1週間の間で開期中の如くクラスで授業を受けるというものです。
これだけならそれなりにありきたりですが、「ぷち教室」の参加権をUniMagic Supportersとすることが非常に良いアイデアでした。もちろん、最初から全てがうまくセットアップされていたわけではありませんし、なんなら最初は問題だらけのスタートでした。

(最初は問題だらけでしたし、なんなら運営中枢が半壊しました。詳細は省きますが、運営中枢メンバーの中で「どれだけ発言が真っ当でも、言い方が悪ければ損をするよね」という合意が形成されました。)

新しいことには問題発生はつきものです。それでもなお、私はこの発明と挑戦に敬意を示しています。その挑戦こそ、UniMagicにあって然るべきだからです。

UniMagic3期 - Unity本科+アバターギミック本科

というわけで、UniMagic初の2学科同時開催が走ります。Unity本科とアバターギミック本科の並行、かつ私が基盤系講師に出ない状態です。今回は講師の公募も行っています。幸いにも、多くの講師の方の協力を得ることができ、体制は盤石といったところです。

生徒に関しては、前回こそ100名の応募がありましたが、今回は同時4クラスを受け入れるだけの体制が整いました。流石に100人は無理ですが、そこそこ多くの人数を受け入れられる準備がある状態で3期生徒募集となりました。

応募が140名を超えましたし、アバターギミック本科だけで90名以上の応募がありました。

え?????上振れすぎです。そして、突然5組が生えました。選択を迫られた際、可能性のためならある程度のリスクとダメージは覚悟で挑戦側の選択を取る。ゆにまじではよくある光景です(再放送)。講師の皆様方には無理を承知で授業1回追加をお願いしました。スケジュール調整の厳しい中でのご協力、ありがとうございました……!

そういえば毎回、頑張って倍率を2倍以下に抑えようとしています。なんだかんだ毎回突然クラスが増えるのは、倍率を抑えるための努力です。やりすぎると様々な面でボロが出ると思うのですが、特に運営中枢メンバー各位がめちゃくちゃ頑張ってくれるので何とかなっています。いつもありがとうございます……!

3期、特にアバターギミック本科については大成功と言ってよいでしょう。Unity本科ももちろん十分にうまくいきましたが、それ以上にアバターギミック本科は初回にしてある程度申し分ない完成度と言えるものでした。完璧とは言いませんが、純粋に大成功と言ってよい戦果でした。
というか、アバターギミック本科は各クラス担任の手腕がすごい。クラス内で考えて行動するだけでなく、クラスを跨いで連携していた部分も多くあり、UniMagic歴史上最も活発に動いていたと言ってもいいでしょう。

私は、この夏をBlenderに捧げようと思う。

3期修了後から4期の間の最も大きな動きは、Blender本科の設立です。

運営中枢メンバーは基本的に、ある期が終わったタイミングから、準備を始めるタイミングで「衆議院解散」を行います。これは、運営中枢メンバーの継続意思確認であったり、新規加入をする場合はこのタイミングでまとめて行うという意図があります。

基本的に、です。 例外があります。その例外こそがBlender本科の立ち上げです。たんたか という人物が、3期開校直前にUniMagic運営中枢に加入しました。そして、こいつがBlender本科の主犯です!!!!!

失礼、取り乱しました。4期に向けてBlender本科の立ち上げを行うにあたって、考えられる限り最強の人物を連れて来た、という話です。それと同時に、私はUniMagic3期が終わった瞬間から、たんたかさんの手を借りつつ、爆速でBlenderを勉強しました。特に概念の入れ直しの部分。
元々全く使っていなかったわけではありませんでしたが、基礎から"ちゃんと"学び、基盤講師として最低限以上のラインまでは出せるようになりました。Blender本科開校に当たって最大の懸念点は、「私が(基盤講師をするには/カリキュラムを作るには)Blenderのことを知らなすぎる」ことだったので、これが一挙に解決しました。4期Blender本科で一番成長したのは、私です。

もちろん、他にも運営中枢メンバーが4人くらい増えたり、4期から試験的にクラス分けを生徒の期待にある程度合わせて変化させることを行ったり、色々試みはありました。しかし、それらを全て考えたとしてもBlender本科が生まれることが最も大きな変化でしたし、何より「私は今期Blender本科に専念したいから、特に教務学支は私がいなくても頑張ってください。」で運用しており、意識の大部分をBlender本科に向けていたため運営中枢全体に関しては逆に私が背中を預ける状態でした。

UniMagicを作ったことの私の最大の後悔は、「私が生徒として受けたいものを作ったら、私が生徒として受けるタイミングを失った」ことです。
UniMagicを作ったことの私の最大の利得は、「生徒よりも遥かに講師に近い立場で、直接学びを得ることができる環境を得た」ことです。

Blender本科という、「魔術高専計画」時代から思い描き、UniMagic0期や1期の頃から期待されていたものを作り出すことができたのが、最上の喜びであり、誉れでした。もちろんここで終わりなわけがありませんが、確実に一つ大きなマイルストーンであると思っています。

UniMagic4期 - Unity本科+Blender本科

今回も2科4クラス、前期と状況は同じです。なんなら今期はイオさんに「状況に応じて基盤講師になっても大丈夫ですか?」の合意を得た上での進行ですから、最悪クラス数が増えることももはや想定されています。Blender本科はやはり注目されるだろうという見込みが私にはあり、最低限の対策として「5期にも開催する」と説明会や入学資料に記載の上挑みました。さて蓋を開けたらどうなるでしょうか?

応募が140名を超えましたし、Blender本科だけで90名以上の応募がありました。

いやもう驚きません。なんなら応募者数が増えていないので下振れです(感覚麻痺)。ところで、Blender本科は追加で1クラス生えました。可能性のためならある程度のリスクとダメージは覚悟で挑戦側の選択を取る。ゆにまじではよくある光景です(再放送)。Blender本科は必修なしの構成にしていたため、公募講師への負担はゼロでした。

4期はUniMagic歴史上最も"激しい"期でした。私も基盤講師として3組を持っていて、非常に頭を悩ませました。しかし、特に2組と4組は極めて激しいクラスでした。

2組は教職員陣が限界ギリギリまで追い詰められました。運営中枢メンバーの浮いたリソースの半分は4-2に突っ込んでいました。詳細は伏せますが、最終的には「現場に判断を任せる、全ての行動を認可する。事後報告で構わない、その場でできる最善を尽くしてください。」とまで言いました。学園型の恐ろしさを知りました。もし一人でも、少しでも、状況が違ったら、どうなっていたのでしょうか……。
最終的には、クラスとしてはとても仲が良いようで、私はホッとしています。狂うかと思った。ほんの少し状況が違うだけで、ほんの少し不確定要素が変わるだけで、何が起こるか分かりません。恐ろしい限りです。

4組は成功しました。ただ、成功しすぎました。講師と生徒の相性があまりにも良すぎて、外れ値を叩き出してしまいました。UniMagic歴史上、これほどの成功が更新されることがあるのか懐疑的とすら言えます。
私はよく「成功には再現性がないが、失敗には再現性がある」と言います。大成功には再現性がないのはそうなのですが、成功しすぎることは果たして本当に「成功」なのでしょうか?未だ結論は出ていません。

3科6クラスへ

UniMagic4期は色々ありました。色々あってもなお、止まらないのがUniMagicです。

UniMagic4期の終わりに「5期はUnity本科、アバターギミック本科、Blender本科の3科6クラス開催を目指したい」と発表しました。発表したその心の内、実現可能性は高々3割程度と見ていました。以下はその代表的な懸念です。

  • 基盤講師問題 : 基盤講師を6人立てる必要がある
  • 必修講師問題 : 必修講師を最大10人集める必要がある
  • 職員問題 : 職員を24名集める必要がある

実現にあたって、様々な懸念と、動ける運営中枢メンバーの数と、不確定要素とが入り混じり、自分で言いながら 「正気か?」 と思っていました。いいえ、そもそも正気ではUniMagicを運営できません。あやうく忘れるところでした。

Unity本科の覚醒

むんすりさんはUnity本科の基盤講師です。そして、先は述べていませんでしたが、4-2を担当していました。そこで感じた経験と必要性から、Unity本科基盤系の資料を大幅に、抜本的に改修してくれました。
それだけではなく、Unity本科に必要な知識を集約した辞書、いやほとんど魔導書をたった2ヶ月で書き上げてしまいました。まだ完全版ではないものの、いつか全体に向けて公開できるような形に仕上げたいですね。

この努力が、私を(よい感情として)悩ませ、そして大変な決断へと繋がります。

教務部講師課の隔世

5期から、教務部講師課の動きがかなり変化しました。というのも、スライドレビューを講師課が持つようになりました。というか、それを持てるだけのリソースが出せるようになりました。まず、基盤系授業のスライドレビューが全て行われました。

……え?「まず」でやれるタスク量ではありません。控えめに言ってバケモンです。基盤系授業は元々、各科5回ずつくらいあるので、15回分の授業スライドがレビューされたことになります。それもたった2週間程度のことでした。基盤系だけでなく、もちろん必修授業のスライドレビューも走っていますので、そのタスク量は狂気の沙汰です。

講師課、というか"三銃士"(と私が勝手に呼んでいる運営中枢の人達)は時間の流れが違いすぎます。精神と時の部屋にでもいるんか?と思ってしまうほどです。なぜ突然タスク管理ツールを導入して、というか情シスが生えているんですか?面白いので/楽しそうなので認可します。いいぞもっとやれ。

学支衛星の拡声

私は長らく悩んでいました。サテライトサーバーの運用の難しさ、です。メインのイベントとサテライトサーバーの間に、微妙に連続性がないがために、UniMagic全体のコミュニティ形成という部分に難を感じていました。
このタイミングで、運営中枢内の学支部と衛星部を理念から再編しなおしました(学支部/衛星部って何?は来週の記事で)。イベントシステム/職員サポートに関しては学支管轄、コミュニティ形成サポートは衛星管轄と再定義し直しました。その上で、衛星部に十分なリソースを用意して、十全に動かすことを目論みました。現在進行形で変容し続けている領域です。

運営中枢にテコ入れをしても、3科6クラスに向けた問題は解決していません。
正直、最大の懸念は職員問題でした。職員24名はなかなか集まるものではありません。実際、4期までの運営において職員が足りたことは一度もなく、その都度運営中枢メンバーから数人リソースを輩出していました。職員が足りないなら、3科6クラスはあきらめる、とすら考えていました。

足りました。 いいえ、超過しました。

24名枠に30名の応募がありました。各位ありがとうございます!(選考漏れとなった方、申し訳ございません……。)
意欲ある皆様方のおかげで、なんとか3科6クラス開催に到達できそうですね。

UniMagic5期 - Unity本科+アバターギミック本科+Blender本科

今回は初の3科6クラス想定です。しかし、実は生徒募集時点ではまだこの6クラスを各科にどのように割り振るかは決めていませんでした。なぜなら、各科への生徒申し込みの割合を見て決めることにしていたからです。さーて、今期は……?

約200名の申し込みがありました。

あの……。え?

とても悩んだのが、クラス割り振りです。Unity本科:アバターギミック本科:Blender本科が、約1:2:3の応募割合でした。この割合だけ見れば6クラス綺麗に収まりそうですが、そうしてしまうとUnity本科の資料改定と魔導書の効果測定に難があります。なぜなら、先述したむんすりさんがアバターギミック本科へ移動する筆頭候補になってしまう状況だったからです。
また、Unity本科を2クラスに保ったままBlender本科を3クラスにすると、アバターギミック本科が1クラスになり、「Unity本科より応募人数が多いのに、クラス数が少ない」状況が生まれます。これは、"筋が通らない"感じがして、気持ち的に引っかかります。

全く関係ないんですけど、どうやらUniMagic運営中枢メンバーの一部がピザを食べるオフ会をしていたらしいです。そこでは「なんかめっちゃ頑張れば7クラス目生やせそうだね~ いや流石に冗談だよね~ わはは!」みたいな話がされていたらしいです。

ぐりんと 「え、7クラスの可能性があるんですか?やりましょう というか、やらせてくださいお願いします」

可能性のためならある程度のリスクとダメージは覚悟で挑戦側の選択を取る。ゆにまじではよくある光景です(再放送)。

流石にもう一悶着、二悶着くらいありました。あまりにも過激すぎます。しかし、実際には本当に7クラスで進行することになりました。
同時7クラス運営。これは、UniMagicだけでなく、全学園型イベントを通して初の試みとなります。限界を超えた挑戦をし続ける、UniMagicです。

めちゃくちゃ無理を言いました。特に運営中枢メンバー各位、無理難題に応えてくれてありがとう……!

  • 新しく基盤講師を立てることになります。ということは、資料の読み合わせとか授業の打ち合わせとかが走りますね?
  • 職員のクラス発表前ではありましたが、職員の組み直しが発生します。クラス移動も伴い、なんなら学科移動の伴う部分もありました。(快く引き受けてくださり、ありがとうございます……!)
  • 運営中枢のリソースが削れるので、リハーサル対応等もてんやわんやです。ごめんなさい!

逆に、無理難題を強いることになった相手は基本的に運営中枢メンバーのみです。一蓮托生、って感じですが流石に運営中枢メンバーに暗殺されないか心配です。が、暗殺されても文句言えないメンバー揃えてるので暗殺されたらそれが運命だと思います。

一旦、3科7クラスを運営することにはなんとか成功しています。しかし、流石にここまで来ると体験の質を確保しきるのが難しくなってきました。脆くはないが、急所が多く、崩れる場合は激しく崩れる感じ。
そろそろ、考えなおす時期なのかもしれません。どこまでのクオリティを担保するのか、クオリティを担保するためにどうするのか、何を基準に、何を判断材料に、クラスを、授業を構成するのか、クオリティのために受け入れ数を諦めるのか。

私は、UniMagicは、問われ続けています。今も昔も。
そして、思い悩んだ時、もう一度UniMagic憲章を読み直すのです。

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そんなこんなで、いつもギリギリでクラス数が増えるUniMagicのお話でした。

3ヶ月という中々に余裕のないスパンの中で、挑戦を繰り返し続けるUniMagicの歴史。いかがでしたか?

来週、現在編ではこれまでの運営中枢メンバーを紹介しつつ、今の運営中枢がどうなっているのか、どういうことをしているのかを紹介します。

書洩らしは? と歴史家が聞く。
書洩らし? 冗談ではない、書かれなかった事は、無かった事じゃ。芽の出ぬ種子は、結局初めから無かったのじゃわい。歴史とはな、この粘土板のことじゃ。

中島敦 『文字禍』より

タイムライン

2023年

時期内容
9月~10月魔術学舎United - UniMagic 1期開校。生徒/講師の公開募集が行われた初めての期となった。
10月UniMagicOB生/関係者向けサーバーであるUniMagic Sateliteが開設。

2024年

時期内容
1月UniMagic正式ロゴが完成、お披露目される。
2月~3月UniMagic 2期開校。ワールド専攻科として、2期が2回行われた。
5月アバターギミック本科開設に向けて、テスト授業である「ぷち教室」が開催される。
6月UniMagic 3期開校。Unity本科とアバターギミック本科、UniMagic初の2学科同時開催を達成した。
8月Blender本科開設に向けて、テスト授業である「ぷち教室」が開催される。
9月UniMagic 4期開校。Unity本科と新規開催のBlender本科の2科クラスでの開催となった。
12月UniMagic 5期開校。前代未聞の3科7クラスでの開催を達成した。